私が学生時代の頃、全日本プロレス、新日本プロレス、UWFの3大団体という圧倒的な力のあるプロレス団体に対抗して、小さな団体がいつしか一気に人気団体になり、またその後の凋落ぶりも激しかった激動の時代のプロレス団体であるFMWの特集雑誌を購入しました。
私は全日本プロレスのファンでしたが、そのOBである大仁田厚選手が旗揚げした団体であり、デスマッチ路線など破天荒なプロレスは私の中にも多少興味が生まれ、万博お祭り広場の地雷爆破デスマッチや西宮スタジアムなども観戦に行った記憶があります。
同雑誌は、そのFMWが活動した13年間の軌跡を追う内容となっており、そのほとんどが関係者のインタビュー形式になっている点が大変興味深く、思わず購入しました。
またその関係者も大仁田選手以外にもターザン後藤、ミスター・ポーゴ、工藤めぐみ、ハヤブサ、田中将斗各選手などほとんどの主力選手が網羅されていることにも驚きであり、各選手それぞれの視点で振り返ると歴史上の事実の捉え方も人それぞれ違うのだと感じます。
私がこの本を読んで改めてFMWがどうして魅力的だったかと考えた時に、単に過激なデスマッチ路線が話題になっただけではないと感じました。
確かにそれが一つの要因であることは事実でしょうが、それ以上に知名度のない選手達でありながら、プロレスへの情熱や一生懸命さが見ているものに伝わってきたからではないかと…。
大仁田選手という普通の選手だったプロレスラーがあそこまでのカリスマ性を持ったのも、それが一番の要因だと感じます。
それが少し感じられたのは、同雑誌内の営業の高橋氏のインタビューにおける下記の内容です。
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チケットの売れ行きや、地方のプロモーターの反応が変わってきたのは、後楽園で野次を飛ばしたお客に、大仁田さんがマイクを投げた事件を、週プロが表紙にしてくれた後ですかね。
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いつの時代でも、人が一生懸命、必死に取り組んでる姿は心を打つものだと思います。
それが今の時代でもスポーツが人気の出るヒントではないでしょうか。
間違いなくプロレス界の一時代を築き上げたFMWの歴史を思い出し、今の変化したプロレス界と比べるとなお一層面白く感じると思います。
FMWに興味があった方には、間違いなく購入する価値のある一冊だと思います。
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