【小橋健太選手思い出の試合④】小橋健太VS三沢光晴

格闘技

 私は今まで数多くのプロレス観戦をしてきました。
 その中には様々な名勝負があり、それぞれにおいて思い入れもあるので、どれが自分が観戦した興行の中でベストバウトかと言えば回答に困ります。
 しかし、色々な意味も込めて、この日の三冠統一ヘビー級選手権試合、小橋健太VS三沢光晴は間違いなくベストバウトだったと言えると思います。
 この試合ほど、壮絶で観ているファンたちを驚かせ、興奮させた試合は無かったのではないかと感じます。

 この試合は小橋選手がチャンピオンとして、先輩三沢選手の挑戦を受けました。
 しかし、小橋選手は一度も三沢選手から勝ったことがなく、シチュエーションだけ見ても非常に興味深いものでした。

 大阪のファンがこの試合にどれだけ期待感を膨らましていたかは、映像の両選手の入場から選手コールを観ればよくわかると思います。

 その内容は予想をはるかに超越する凄まじい試合となり、両選手いつもの技では決着をつけることはできないような展開となりました。
 小橋選手がエプロンから場外へパワーボムというあり得ない技を繰り出そうとすれば、その初公開の技をウラカンラナで切り返す三沢選手。
 今度は奥の手、タイガードライバー91を三沢選手が出せば、この技をクリアした選手はいなかったのに小橋選手はカウント2で返してしまう。今度は、タイガーマスク時代も滅多に使用しなかったタイガース-プレックス85を三沢選手が出してしまう。。。
 こんな攻防に観ているファンは歓喜し、すごい雰囲気となりました。

 この試合を観終わった後、どう考えてもこの試合が今年のベストバウトを獲得するだろうと思っていたら、同年10月日本武道館で再びこのシングルマッチが組まれ、そっちの試合がプロレス大賞ベストバウトを獲得しました。その試合は、一般評価ではこの大阪での試合のさらに上をいったという評価なのでしょう。
 しかし、私にとっては生で観戦した分、この試合の方が凄かったように思えましたが…。

 そして、この三沢VS小橋のシングルマッチは、この年の1997年、1998年、2003年と何と三度もプロレス大賞ベストバウトを獲得しました。
 全プロレス団体の中で3度も同じカードがベストバウトに選出されたのは長い歴史の中で、三沢VS小橋のシングルマッチだけです。
 その先駆けとなった伝説の試合が、この大阪となった訳です。

 この試合を生観戦できたことは本当に幸せだったと思います。それだけ強烈な印象を私に与えたベストバウトでした。

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