鳴りやまなかった小橋コール…ノア大阪大会

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 本日は、小橋建太選手の試合を観るために、プロレスリング・ノア大阪大会を観戦しました。

 様々な感想がありますが、あまりにも長くなりますのでいずれレポートを書くとして、できる限り簡潔に。

 試合会場は超満員のファンで埋められました。
 私がプロレス観戦時に気にする椅子の席数もぎっしりアリーナの後ろまで並べられていました。
 随所に空席があったのは、あえて椅子に座らず後ろで立ち見として観戦している人が数多くいるためであります。

 いきなり苦言ですが、ハッキリ言って(三沢風)セミファイナルまでは最悪な興行でした。あまりにも素気なく、盛り上がる要素もない試合の数々を見せられました。
 特に、田上選手とセミファイナルの三沢選手と秋山選手の試合は、試合時間の短さからも分かるとおり、全く盛り上がりもしないひどいものでした。

 おかげで、メインイベント開始時には全く熱が無く、せっかくの小橋選手の入場前でも観衆にその準備ができていないような雰囲気でした。

 そして、メインイベント。。。
 小橋建太、本田多聞、谷口周平 VS 森嶋猛、丸藤正道、杉浦貴

 青コーナーから早速、小橋組が入場しましたが、私が思うほど大きな小橋コールは起こっていませんでした。
 それまでのお客のテンションが上がっていなかったことと、昔と比べて本当のプロレスファンが少なかったような感じもあったからでしょうか。(観衆の一部に、試合前、空手の演武を披露してくれた空手道場の方々が家族連れで、かなりの人数観戦していたこともあったのかな?)

 そんな状況に、不安を感じましたが、そんな心配は御無用でした。
 ゴング前に、仕掛けた新世代チームでしたが、それに呼応した小橋選手が杉浦選手にチョップの雨あられ。試合開始から場外へ連れまわし会場の後ろの方まで行っての徹底した小橋選手の攻撃により、試合はじまって2分足らずで杉浦選手の胸板は真っ赤に染まっておりました。

 試合自体が小橋選手VS新世代軍というテーマがあったからでしょうか、森嶋、丸藤、杉浦の3選手が徹底的に小橋選手を狙い、コーナーに控える小橋選手にやたらちょっかいを出し、それに対抗して小橋選手も様々なチョップにより攻撃を加える。
 知らない間に観衆がリングに集中する空間が出来上がっておりました。

 そして、あっというまに20分が経ち、まだまだ試合が終わるそぶりなどありません。その間も気の抜けない両チームの攻防が続きます。

 20分過ぎには、小橋選手と森嶋選手がリングに残って、両チームが分断されました。
 森嶋選手のバックドロップ、ラリアットを食らい、「小橋、やばい!」という雰囲気ができましたが、自力で2カウントでクリア。逆にラリアットを喰らわす奮闘を見せる。

 お互いのスリリングで魅力的な試合は、34分という長時間の試合となり、最後は谷口選手が丸藤選手からフォールを奪われました。
 34分もの間、ファンを飽きさせないノンストップで行われた、大変エキサイティングした好勝負でした。

 この試合、予想以上に頑張ったのが、この6人の中では見劣りしてしまう若手の谷口選手。
 彼の頑張り・粘りも、今日の好勝負を作り上げた一因でしょう。
 試合後には、「谷口コール」が起こっておりました。

 そして、感動的だったのは試合後。
 一人残った小橋選手に、入場時以上の大小橋コールが送られました。
 小橋選手も四方のファンに頭を下げた後、リング外を一周してリングサイドのファンとハイタッチなどをして、自分の入場通路を引き上げていきました。
 その間も定期的に起こる『小橋コール』。引き上げる小橋選手に黒山の人だかり。
 通路入口まで来て、もう一度会場に一礼する小橋選手目がけても、延々と続く小橋コールに何度も小橋選手が手を上げる光景が続きました。

 このメインイベント、そして試合後の光景を見て、セミファイナルまでの憂鬱な気分が一気に晴れ、爆発した気分になりました。私もその延々と続く小橋コールをずっと叫んでおりました。
 大阪のファンも、元気な小橋選手の姿、そして病気前と変わらない素晴らしい試合に感動と興奮を抑えられない様子でした。

 いや、本当に最適な言葉が見つからず、安易な表現になってしまいますが、小橋選手は凄すぎます。
 あれだけ盛り上がらなかった大会が、小橋選手の入場だけで空気が一変し、そして試合終了後には大きな感動と興奮を残してくれました。
 それは、あの大阪の会場にいたファンも同じ気持のはずですし、その表れが試合後に延々と続いた小橋コールでしょう。

 小橋選手のレスラーとしてだけではなく人間としての魅力に感心するとともに尊敬に値します。
 ここまで、凄い人っているのだなあと感じます。
 彼がやっているのは、リングの上で一生懸命試合をすること。
 大病をわずらっても、どんな相手でも、大きな会場でも小さな会場でも、手抜きや自分に甘えること無く、ごまかしもせず、一直線にただ一生懸命戦う。
 
 改めて、自分自身も一日一日毎時間、大切に真っ直ぐに生きていかなければならないと感じました。
 プロレスファンで良かった。そう思える1日でした。
 今日、観戦していた空手の少年少女達は、メインイベントを見て何かを感じ取ってくれたらうれしく思います。私も学生時代、ジャイアント馬場さんを見て、多くのことを学びました。現在の子供たちにとって、その存在が小橋選手になり得たらうれしい。

 今日の大会を見て、正直な話、私は昔の全日本プロレスの雰囲気と比較してしまうのですが、正直、当時の熱は感じませんでした。
 しかし、小橋選手の試合1試合で、あの冷え切った盛り上がりのない大会を、あれだけの熱気に急変させたことが感銘を受けたし、それをつくりあげた他の選手たち(本田多聞除く)も素晴らしかったと思います。

 次回、4月に行われる大阪大会も、小橋選手がメインに出場するなら、また観戦に行きたいと思いました。
 ただ、小橋選手がそこまでの試合をしているのに、それまでの選手たちの試合に関しては、怒りを感じます。どこまで、小橋選手に頼ったら気が済むのか?
 小橋選手にガンが見つかった時、選手皆でプロレスを守ろうという雰囲気になった。あの気持ちを忘れないでほしい。

 今日は、プロレス観戦に行って、本当に良かった。
 まさか、全日本プロレス分裂後、当時のような感動をプロレスからもらえるとは思ってもいませんでした。
 小橋選手、本当にありがとうございます。試合内容、試合後の退場シーン、心から感動しました。
 どうか、今後も体に無理をさせず、末永く活躍してほしいと願っています。

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