諏訪魔VS藤田の試合を生観戦した率直な感想

 さて、今更ながらではありますが、先日の天龍源一郎引退興行において行われた「諏訪魔、岡林VS藤田、関本」のタッグマッチについて率直な私の感想を書いてみたいと思います。

 同試合カードは、天龍引退興行において引退試合の次に注目された試合だと思います。この1年話題に上がっていた諏訪魔VS藤田の対決がいよいよ実現するということで注目したファンも多いでしょうし、当大会のセミファイナルにラインアップされたことにも表れていると思います。

 私がまず最初に意外だったのが、試合前の全試合カード紹介の際、このカードが紹介された時にあまり観客が盛り上がっていないことでした。長年プロレスを見てきて、この全試合紹介の際のファンの拍手は当日の期待を最も表す瞬間だと思います。私はもっと観客が期待しているのかと思っていました。

 そして試合がいよいよ開始されるという段階で、入場の際にも特に観衆からの大きな期待が膨らんでいるという印象は受けませんでした。逆にその前の試合の長州力選手の人気が高かったのが印象に残っていたのかもしれませんが…。ただ、4選手のうちで諏訪魔選手が一番歓声浴びていたような気がしましたが、最後に入場したからかもしれません。
 両選手が並び立った際にお互い激しく罵りあっているように見えましたが、その時も多少の期待感は感じましたが、ファンの熱は感じませんでした。

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 両選手が先発を買って出て、いよいよ勝負という時に両者は数分のにらみ合いを行い、微動だにしませんでした。
 ゴング前まですぐにでも殴り掛からんばかりの勢いだったのに、そのギャップが私にも理解はできず、また観衆からは少しずつ歓声がヤジに変わっていき、この段階でところどころから「大日本」という声が聞こえてきました。戦う気がないのなら、大日本プロレスの二人の試合を見せてくれ」という感じかな。

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 そして数分後にやっと組み合ったと思ったら、二人ともつかみ合いになり、まともな技の攻防もしません。散々じらされた挙句にこのような攻防を見さされたファンはいよいよブーイングに変わっていき、怒りを表すようになってきました。それはところどころ聞こえる単発のヤジにも表れていました。

 結局見せ場もないまま出てきた大日本プロレスの関本、岡林選手がいつもの激しいぶつかり合いをいきなり見せたものですから、このギャップもあり観客が「待ってました!」とばかりに盛り上がったんです。その期待に応えるプロレスらしいぶつかり合いを見せたために、完全に観衆の視線は、大日本の二人に集まりました。

 その後に諏訪魔、藤田の戦いもありましたが、何か空回り。挙句の果てに戦うべき両者が、なぜか敵味方に分かれてコブラツイストの競演なんて言う不思議な光景が生まれたから、その時にはあらゆるところから失笑が生まれてました。

 結局、このまま注目された諏訪魔選手と藤田選手の攻防は大日本の二人の攻防を超えるプロレスを見せることはできず、試合自体も岡林選手が関本選手をフォールし、大日本勢で決着がつきました。

 この試合のMVPは間違いなく岡林選手です。プロレスをしようとしない藤田選手相手に真っ向からいつものプロレスを仕掛けていき、圧倒しました。私自身もどこかで打撃をよけられスリーパーあたりで決められてしまうのかな?と正直思いましたが、全くそんなことは無く圧倒した瞬間は本当に盛り上がりました。それを諏訪魔選手ができていれば、名誉挽回もできたのかもしれなかったんですが…。
 
 唯一、諏訪魔選手に歓声が上がったのが、終盤に見せた藤田選手にドロップキックからバックドロップを決めた時です。あの攻撃だけは非常にわかりやすく迫力が伝わってきました。
 
 試合後のマイクの攻防に関しては、藤田選手が何を言ってもブーイングで、「藤田に何もしゃべらすな」、「主役の大日本の二人を蔑ろにするな」という雰囲気に包まれており、少しファンも殺気立ってたように思います。現に藤田選手も諏訪魔選手も「どうしよう」という表情が見受けられてましたから…。

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 ここからは私の主観ですが、正直な話、藤田選手はまともにプロレスができないのだと思います。まず、総合格闘技がメインの選手でしたからプロレスの試合の組み立てができない。だからファンの盛り上がるポイントなどがつかめないから、初めて戦う相手とどうしたらいいかわからないのだと思えました。そして、相手の技も受けないから、尚更です。
 一応、岡林選手との攻防で受けあいがありましたが、この段階でもうすでにスタミナが無くなっていたようにも見えました。そういう状態だったからこそ、最後に諏訪魔選手のドロップキック⇒バックドロップもまともに受けざるを得ない状態だったのだと思いました。

 一方、諏訪魔選手も何をしてくるかわからない藤田選手なので一歩踏み出せない印象を持ちました。打撃をするにしても、投げ技をするにしても攻める際に何をしてくるかわからないから手さぐりをしている感じです。逆に岡林選手はそんなことも気にすることなくいつもの試合を仕掛けていき、それがすべてまともに決まってたから、あれだけ盛り上がったのだと思います。

 藤田選手は余程改心しない限り、激しいプロレスはできないでしょう。プロレスができない選手の試合はやはり見ていて面白くもありません。しかし、ファンの想像力は広がるので、その想像力を超えるプロレスの機転が利かないと思います。
 諏訪魔選手も逆に総合の動きができるとは思えないので(アマレスの能力だけでは…)、こういうタイプの選手と手に汗握る攻防を見せられないでしょう。そこまでの適応力は感じませんでした。

 結局、引っ張るだけ引っ張られた諏訪魔VS藤田は、全く魅力的な試合ではありませんでした。今後続けても、ファンの期待を超えることは無いと私は思います。今後も戦う必要性も感じません。
 やはりプロレスはお互いの信用関係があること、そして万が一の時のためにガチンコにも対応できる能力も兼ね備えていることが大切なのかもしれません。
 
 全日本プロレスファンとしては、諏訪魔選手の爆発力は素晴らしいと思うので、今回の結果において一般のプロレスファンからは評価が下がったことは残念です。せっかく振り向かせるチャンスだっただけに。。。

 最後に全日本プロレスのレスラーにひいき目で見てしまう私から見ても、大日本プロレスのレスラーの二人は素晴らしかったです。よくあの状況下でわき役から主役になったと思います。

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