小橋建太引退試合、「Final Burning」に行ってきました。②

 小橋選手の引退セレモニーが終了後、数試合が続きました。
 今回の興行はやはり小橋選手の引退試合がメインですから、どうしても他の試合中も心のどこかでいよいよ本日で見納めの引退試合のことが気になっていたように思います。

 セミファイナルが終了し、出場した選手が退場すると同時に小橋コールが起こりました。
 ファンも今日の主役を待ち望んでいるのがわかります。

 まずは、対戦相手の小橋選手の元付き人の4選手が一人一人入場してきました。
 そして、今度は小橋選手のパートナーの3選手が入場し、最後に小橋選手の登場となります。
 この入場シーンで感じたことがありまして、本当に応援されているレスラーというのはこの入場の時の歓声が違います。この両チームの入場で感じたことは、付き人チームの選手の入場の際にほとんど声援が飛ばなかったことでした。それは最近ノア内で頑張っているKENTA選手しかりでした。これは小橋選手の対戦相手だから・・・という次元の話では無いと思います。それだけ、プロレスラーというのは格が無いといけないのだろうし、それを作り上げるのは今に至るまでに至った経緯というか、その過程でいかにファンを魅了してきたかどうかなのだと思いました。

 小橋選手の入場の際は当たり前ですが、大小橋コールでリングに登場。
 小橋選手とチームを組む3選手は皆モニターを見ていると、感慨深げな表情をしていたのが印象的だった。

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 私は当初、小橋選手は全く動けない状態だと思っていました。だから8人タッグという形になったと判断していました。当然、体も長時間戦える状態ではなかったと思います。
 しかし、驚いたことに約40分の試合時間の中で小橋選手本人がリングに上がっていた時間は非常に長かったように思います。体を悪くしてからは足に踏ん張りか効かなくなっていたからか、チョップばかりしていたように記憶していましたが、この日はローリングクレイドルやハーフネルソンスープレックスなども駆使し、今できる最大限の技を繰り出していたように思います。
 
 試合の中で当然小橋選手が相手チームに捕まるシーンもありました。体がもう戦える状態では無かったと皆が思っていたであろうことから、大技を食らったときなどは悲鳴にも似た歓声が聞こえていたように思います。私も「またどこかケガしてしまうのではないか…」と心配になったものでした。しかし、戦い続けたどころか、まさか最後のフィニュッシュがムーンサルトプレスになるとは…。

 武藤選手がムーンサルトプレスを決めた後、あの「ALL TOGETHER」の時と同じく小橋選手を指差しました。
 まさか…とは思いましたが、本当に小橋選手は”青春の握りこぶし”を握り、見事ムーンサルトプレスを決めてくれました。
 ご存知のとおり、小橋選手が直近で試合をしたのが昨年の2月。同じく武藤選手とタッグを組み、ひざが悪いのを覚悟でムーンサルトプレスを決めた際、膝などに大怪我し欠場に至りました。最終的にその欠場中に首の負傷も見つかり、引退を決断することになるのですが、このような状態の中であの時と同じムーンサルトプレスを見事炸裂して有終の美を飾ったわけです。

 小橋選手は今回の試合に向けて「コンディションを整えていく」と話していました。
 私は今の彼の身体の状態を考えると、リングに立つこと自体のコンディションを意味しているとばかり思っていました。そして、他の3選手が何とかそれをカバーしながら試合を成り立たすものとばかり思っていました。
 ところが、小橋選手の言う「コンディション」とは、いつもどおりの技、いつもどおりの小橋健太のプロレスをするコンディションを意味していたのだと気付かされました。だからこそ、最後にムーンサルトプレスを選んだのでしょう。
 本当のプロフェッショナルの考え方だった訳です。

 試合を終えて、盟友ともいえる3人のパートナー、そして慕われている元付き人の8人でリング上から手を上げたシーンを見て、最初疑問に感じた引退試合のカードも「これで良かった」と納得させられるものでした。
 
 試合終了後も小橋選手へのリング上でのインタビュー、10カウントゴング、参加レスラーの記念撮影、そして最後の大小橋コールに至るまで、こちらの演出も最高に良かったと思います。

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 小橋選手には大掛かりな仕掛けや演出はいりません。凛としてリングに立つ小橋選手に満員のファンから心のこもった小橋コールが飛んでいる。それこそが最高のシーンであることに気付かされました。
 最後も花道から退場した小橋選手に鳴り止まない小橋コール。そして、花道最後で舞台裏に戻ることを自ら惜しむかのようにそのコールを長い間聞き続ける小橋選手。本当に感動されました。

 
 帰り道、雨など様々な要因があったと思いますが、日本武道館から駅にたどり着くまで、かなりの時間がかかりました。帰りの高速バスの時間に戻るのが不安になるほどで、結局夕食も食べられないまま東京駅に戻り、帰りのバスに乗りました。新幹線にしてなくて本当に良かったです。
 ちなみに途中で引退グッズ販売テントでTシャツを買おうかと思ったが、全部売り切れになってました。

 次の日、大阪に戻った後、改めて録画していた生中継映像を見ました。
 その時にどんどん色んな感動や思いがあふれ出てきました。
 まあ、その辺はまた次回に。
 ただ返す返す残念なのは、せめて福澤朗アナに副音声でも良かったし、DVD用でも良かったので実況して欲しかったです。後でつけることは可能かもしれませんが、福澤アナや若林アナの実況は感情のまま言葉に表すところですから、生じゃないとね。 もう少し中継側は考えて欲しかったかな。

 小橋建太引退興行。
 これは後世プロレスファンに伝わるものでしょう。チケットも即日完売、その伝説の興行に会場で参加できたことをとてもうれしく、誇りに思います。

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 小橋選手への想いは、次回に・・・。

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