桑田真澄氏提言(3)、「どんどんミスしよう」について

 「どんどんミスしよう」

 この言葉を聞くと、例えば、エラーをすること全般を肯定するような勘違いを生みそうな一文ですね。

 この提言に関する私が取り上げたいポイントは、とりあえず2点だと考えます。

 ○チームメイトのミスを誰かがカバーすることにより、チームプレーが生まれる。
 ○ミスから学ぶことのできる選手の方が、成長が早い。

 100%完璧な人間なんていませんから、必ずスポーツのプレー上において誰かが失敗するケースはあります。
 野球はチームプレーでありますし、誰がミスをしようがチームにとっては痛手であり、それをチームとして克服しなければならないはずだと私は考えます。

 よくあるケースですが、チームが敗戦した時に反省をし、次回の試合に生かすのはほとんどのチームが行うことだと思います。その中で、よく見られた光景だったのですが、「○○が悪い」、「○○のせいで負けた」などと責任転嫁の繰り返しのような発言を私はよく聞きました。チームの反省会では無く、裏で選手は選手の責任のなすりつけ合い。指導者は、点数が入らなければ「打撃コーチが悪い。」など。。。
 反省と言うのは、他人がどうこうとうより自分を省みなければならないはずです。例えば投手で言うならば、「○○のエラーで負けた」と言及する投手と、「自分が0点に抑えておけばチームが勝てた。」と言う投手。どっちが成長するタイプの選手かは一目瞭然ではないでしょうか?

 私は野茂英雄投手の大ファンです。野茂投手第二期ロサンゼルス・ドジャース時代は貧打のチーム状況であったため得点に恵まれず好投の中、敗戦するケースが結構ありました。その時の試合後のコメントに出てくる言葉は常に「先発投手は先に相手に点を与えてはいけません。」という言葉だった記憶があります。
 チームの敗戦をバッターの責任にするのではなく、常に自分がベストピッチングをすることを考え、それがチームへの貢献、勝利につながると考えている証拠ではないでしょうか?
 あの風格とチームのエースとして活躍した姿は、こういった野茂投手の凛とした態度・姿勢から来ていると思います。

 ミスから学ぶ選手と言うのは、メンタルトレーニングでいうならば、ポジティブシンキング(プラス思考)ができている選手がその対象になるのではと考えます。

 自分がミスしたときに、そのミスを素直に認め、反省し、チームに迷惑をかけた分を次回の試合に今度は自分の活躍でチームに貢献しようと日々の練習に取り組めるようなタイプの選手ですね。

 逆に、エラーをした後に、周りの自分の評価を気にし、人の責任に転嫁しながら、次はいいプレーをしよう(成功しよう)と考えずに、エラーをしないでおこう(失敗しないでおこう)と考える選手は、“負のスパイラル”が起こり、自分の評価の下落やプレーの失敗を恐れるがあまりに積極的なプレーができず、またエラーをしてしまうようなタイプがマイナス思考タイプの選手です。

 このような、ポジティブシンキングを行える選手ほど一流に近づけるタイプではないでしょうか?

 私は、この「どんどんミスしよう」というのは、チームとして選手がポジティブ(積極的)にプレーできる環境を作る必要があると言う提言ではないかと考えます。

 また、桑田さんはこの提言において、「体罰」についても触れていますが、それは次回の「勝利ばかり追わない」にも含まれますので、その時に。
 
 次回も長い文章になりそうです。。。(笑)

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