2026年3月17日、AI(人工知能)の開発で有名なアメリカのAnthropic(アンソロピック)社が、とても便利な新機能を発表しました。
その名前は「Dispatch(ディスパッチ)」。英語で「派遣する・送り届ける」という意味です。
ひとことで言うと、こういう機能です。
「外出先のスマホから、家や職場に置いてあるパソコンのAIに、仕事をお願いできる」
「え、そんなことできるの?」と思いますよね。実は、仕組みはとってもシンプルなんです。

イメージしてみてください。あなたが外出中に、自宅のパソコンの前にとても優秀な秘書さんが座っていると思ってください。
スマホから「あのファイルを整理しておいて」「昨日の資料をまとめて」とメッセージを送ると、秘書さんが黙々と作業してくれる──それがこの機能です。
ただし、この「秘書さん」はAI(人工知能)です。
もう少し詳しく知りたい方へ
「Claude Cowork」って何?
まず、今回の機能の土台になっているのが「Claude Cowork(クロード・コワーク)」というサービスです。
これは、Anthropic社が作ったAI「Claude(クロード)」をパソコンに入れて使う仕組みのこと。パソコンの中にあるファイルを読んだり、表を作ったり、いろいろな作業をAIが自動的にやってくれます。
2026年2月に発表されたばかりで、すでにアメリカの大企業でも使われ始めています。
新機能「Dispatch」でできること
今回の「Dispatch」は、このCoworkをスマホから遠隔で操作できるようにした機能です。
たとえば、こんなことができます。
①パソコン内の表計算ファイルからデータを取り出して、報告書を自動作成
②指定したフォルダのファイルを種類ごとに整理
③メールの内容をまとめて、要点だけ教えてくれる
④複数の資料からプレゼン資料を自動作成
しかも、一度やり取りした内容をAIがずっと覚えているのが大きな特長です。
普通のAIは、会話を終えると「さっき何を話したっけ?」と忘れてしまいます。でもDispatchでは、前の会話の流れをAIが引き継いでくれるので、途切れ途切れの指示でもきちんと対応してくれます。
使用するための条件は?
便利な機能ですが、いくつか知っておくべきことがあります。
始め方は簡単
安全面は大丈夫なの?
「パソコンをAIに操作させるなんて怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。当然の心配です。
とはいえ、まだ試験的なサービス(お試し段階)です。大切なデータは必ずバックアップ(複製を保管)してから使うことをおすすめします。
ライバルとの競争はどうなっているの?
実は、同じような機能をめぐって、AI業界では激しい競争が起きています。
ChatGPTで有名なOpenAI社も、「OpenClaw(オープンクロウ)」というパソコン操作AIの開発会社を買収して、同様の機能を準備中です。
Anthropic社はOpenAIより一歩早くこの機能を公開できたため、業界では「先手を打った」と話題になっています。
どのAI会社も目指しているのは、「いつでもどこからでも、AIに仕事をお願いできる世界」です。今後さらに便利になっていくことは間違いなさそうです。