欧米は基本クラブスポーツが主流だと言う認識があったので、この記事は大変興味深く読ませてもらいました。
ただ、この記事に書かれているドイツでの取り組みは、日本でいう「部活」という表現には合っていないと感じます。
日本の部活は最近変わりつつあるかもしれませんが、スポーツに熟知した指導者が指導しているというよりは、スポーツを経験した先生が顧問となり、経験の中の知識のみで選手にスポーツをやらせているという認識でいます。
そして高校野球なんかは一転一流を育てているようにマスコミで煽っていますが、実質は中学生の上手い選手を推薦で獲得し、甲子園に出ることで高校の名を上げる目的、つまり選手の育成というよりは育成された選手を利用したビジネスのように感じるのが正直な私の感想です。ただ選手は一生懸命頑張っているので、選手のスポーツへの取り組む姿勢は日本であろうが、外国であろうが変わらないと思います。ただ、それに携わる大人の姿勢が違うと思うのです。
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学業とサッカーを両立させるために、先生と指導者が協力し、生徒にとって最適のプログラムを考える――。まさに日本の高校の部活で行われていることではないだろうか。さながら部活の顧問が、育成コーディネーターといった感じだろうか。
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多くの学校がある中でこのような勉強やスポーツ、プライベートを両立させる学校もあるはずですが、相対的にみて日本は朝練から夜遅くまで部活ばかりを推し進めているスポーツエリート学校のほうが多いと思います。
しかし、このドイツの高校での取り組みは、勉強とスポーツを両立させるプランを考えるコーディネーターがいて、実際に勉学にもある程度の結果が出ているようですね。
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教えるのはシャルケの下部組織の監督やコーチたち。他にも授業で、体幹トレーニングの基礎知識やスポーツ生理学が教えられる。
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私が特に印象に残ったところは、まず指導者が一流であり、だからこそ選手への「体幹トレーニングの基礎知識」や「スポーツ生理学」などのスポーツ理論をきちんと指導できる環境にある点です。
私は常々、スポーツの指導で言いたいのは選手自身が練習の意義や目的を理解して練習に取り組むことの重要性です。
その為には実技だけでなく、その理論も知って理解したうえで行うこと。そうすれば、自分自身も主体性を持って、目的にそった練習が行えるからです。
日本のスポーツ指導の現状は、意味が分からず、ただ指導者にやれと言われて選手が練習を行うケースが多いことです。
もちろん、指導者というより経験者が指導しているスポーツ現場で正しい理論を教えることができない事情もあると思いますが、今回のドイツのような環境をつくることが大切であり、それができれば、ただ単に長時間の練習を行ったり、オフもなくひたすら練習ばかりの毎日を送ったり、朝練から夜遅くまでスポーツ漬けになってそれ以外のことが何もできないような環境を今の日本のスポーツ界から無くすことができると思います。
だからこそ、世界の一流を育てるクラブやシステムから学ぶべき点は数多くあるということですね。
そして、今の日本のスポーツ界を変革する行動力が何より大事だと思います。
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