全国レベルの少年野球チームを見て感じたこと

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 先日、全国大会に常時出場しているといわれている中学生の野球チームの試合を見る機会に恵まれました。
 正直な話、そういったチームは最初の段階で多くの選手を囲って獲得しているため、最初の段階で決定的な差があることは既定の事実ではありますが、もちろん、だからと言ってそれだけでは無いはずです。
 そのチームが試合に向けて、どんな動きをしているのか色々試合前から試合終了まで見てみました。

 正直、ウォーミングアップ等を見ても、それほど大したことをしているという印象は無く、他のチームの方がしっかりやっていると感じることもありました。
 ただ何となくてすが動きを見ていると、その動作の何が大事なのかを頭で理解しているのか、体が理解しているのかわかりませんが、心得ているようには見えました。
 傍目から見ているといい加減なチームは見様見真似で適当な動きをしていることがわかるので、それを見ているだけでも何かしらの差は感じるように思います。

 実際の試合を見ていても、まだ中学生ですから試合の流れでミスが出たり、連打を打たれたりするシーンもあったので、こちらもそれほど何かを感じることはありませんでした。
 言い方を買えるなら、強敵でも「付け入るスキはある」ということでしょうか。

 ただ圧倒的に違ったのは、完全にフィジカル面の強さでした。
 見た目の体のでかさは正直あります。中学生と言う時期には、どうしても成長の早い遅いがあって体格面では優劣ができてしまうケースがあります。強いチームなら色々な意味で選手も多く集まってくるでしょうから、必然的に体ができている選手が上位に来る傾向にはあると思います。
 しかし、明らかに感じたことは、その大きさを生かした動きができていたことです。

 いくら体が大きいといっても、それを持て余し、体がうまく動いていない選手もよくいます。
 ただ同チームにおいては、動きにある程度の無駄が無かった、そのうちの一つをあげるとすれば「体軸にブレが無かった」と言えます。

 要は正直な話、簡潔に言うと、個人の能力が長けていたということです。

 ボールを捕る能力に他チームと比べて差は感じませんが、個人の投げる能力、打つ能力、一部ですが走る能力には圧倒的な差を感じました。
 では、それは一部の能力のある選手だからできることでしょうか?
 私は全くそうは思いません。
 
 きちんとした練習をしていけば、個人の能力は大きく伸ばしていけると確信します。
 どうしても多くの野球チームを見ていて思うことは、選手の能力を決めつけて型にはめてしまうことです。

 ある選手は体が大きいからフルスィングOK、一方の選手は体が小さいのでバントやゴロを打つことを求める…。
 私はよく将棋で例えるのですが、小学生や中学生などまだまだこれから成長していく過程の選手であるにも関わらず、その段階で勝手に可能性を指導者が決めつけてしまって、”金”なら金として、”歩兵”なら歩兵として選手を指導することです。
 当然ではありますが、選手は成長します。”歩兵”が”金”になることもあるのです。
 だからこそ、選手一人一人を大切にし、その選手を伸ばしていく練習や環境を与えてあげることが大切だと痛感しました。

 野球の指導者は、自分の頭の中で理想の野球像を描き、それに選手を当てはめていき、その思う通りの動きをしないと怒鳴り散らすチームを多く見かけます。
 そして、何かと「捕手の配球が悪い」とか「守備位置が悪い」とか「ボールを転がせない」とか、敗戦の根拠を戦術面に求めがちです。
 そういった型にはめられて、指導者の理想通りに動くことを要求される選手を見ていると、スポーツって本当にこれで良いのか?と常々疑問に感じることがあります。

 私は今少しサポートさせて頂いているチームがありますが、そちらの監督さんは非常に選手のことを考えて皆を伸ばしていくことを考えています。
 しかし、色んなチームを見ていると上記のような指導者ばかりのような気がしてなりません。

 私は一生懸命頑張り自分の可能性に熱心に挑戦するスポーツ選手が少しでも、それを実現できる環境を整える状況を作りたいと常々思います。
 そして、将来的にそれを実現できる環境や施設が作ること、そしてスポーツに一生懸命取り組む方々が互いを協力し合う仕組み作りが、やはりスポーツを指導させて頂く身としての夢であることを再認識しました。

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