「ラテンアメリカ野球から学ぶ、選手指導・育成研修会 」に参加してきました

 昨日は「ラテンアメリカ野球から学ぶ、選手指導・育成研修会 」に参加してきました。
 平日の夜にも関わらず、会場は多くの野球指導者の方々が集まっており、その熱心な姿勢に驚きました。

 セミナーの講師の方は、野球の発展途上の国々から南米にかけて幅広くグローバルに野球の普及に取り組んでおられる方でした。
 今回のセミナーは、多くのMLB選手を輩出しているドミニカ共和国の野球環境についてお話して頂きました。

 その中で最も驚いたのは、あれだけ優れた選手が育っているのにドミニカ共和国では中学生くらいの世代までは細かい野球は教えていないということでした。
 とにかく打つ、投げる、捕るなどのパフォーマンスばかりの練習で細かい作戦面など無し。ましてやバントすらやらない。変化球も投げない。
 他にも色々ありましたが、私が感じたのはやはり選手の主体性を大事にすることと、選手を尊重すること、その環境があるから選手が野球と言うスポーツを好きになるんだということでした。

 実はこれは日本のスポーツ指導者を養成する組織でも同じようなことを学びます。
 選手は大人になった時に完成するのであって、それまでは成長の過程としてスポーツ選手を育てる。そして、生涯スポーツという観点で指導に取り組むということです。
 
 しかし、残念ながら日本のスポーツ界、特に野球に関しては、その真逆を行っているのがほとんどです。

 ○選手のプレーに罵声ばかり浴びせる指導者
 ○選手に苦痛しか与えない練習をさせる指導者
 ○子どもの段階で選手の可能性に限界を与える指導者
 ○子供の段階で特定の選手ばかり重宝視する指導者
 ○良いプレーより、悪いプレーをさせないように指導する指導者
 ○失敗を前提にしたプレーばかり指導する指導者

 こういったものが、いかに選手の可能性を潰し、それどころか野球へのモチベーションも下げていることがほとんどです。

 そして、何より残念なことは、そういった環境で育った選手が大人になり全く同じことを選手に与える悪循環です。
 いつしか、そういったネガティブな環境、不必要な苦しみに耐えた野球人生が変なプライドとなり、同じ苦しみを選手に与えることに充実感を得る指導者になることです。
 
 ましてや、投げ方、打ち方など合理的なパフォーマンスも学ばないのに、無理矢理フォームを矯正したり、無理難題を押し付けるケースも多々あります。

 セミナーのお話を聞いて改めて思ったことは、選手が前向きに自主的に主体性を持って野球をする環境を作れば、必然的に選手が伸びていくことです。そういった環境を指導者が作っていかねばなりません。
 
 また、よく外国人選手と日本人選手のパフォーマンスの差を、「体力が違う」とか「体格が違う」と言って誤魔化す傾向もありますが、ドミニカの指導者の方いわく、「日本の方がスポーツ環境も食事も恵まれている」というのも非常に説得力のあるものでした。
 何か悪いことは選手ばかりの責任にし、指導が思うようにいかないと理に適わない外的要因の責任(「声が出てない」とか「根性が無い」も含めて)に転嫁するのも大きな問題であると思います。

 しかし、セミナー講師の方のチームでは選手の主体性を重んじたチームを作り上げていっているそうです。
 私が少し夢見ている野球(スポーツ)を通じた国際交流も行っているそうで、実際希望する子供たちを連れてアメリカにも行く機会があるようです。

 これから私が野球に携わっていく中で、どこまでできるか試されていくように思います。
 私も少しでも選手がのびのびとスポーツに取り組める環境を作っていくよう努力していきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました