小橋建太プロデュース、プロレス興行で見たスポーツライクな瞬間

 先日は三沢光晴メモリアルナイトのためだけに1か月限定でCS放送のチャンネル「G+」に加入しました。
 その副産物とでも言いますか、同じチャンネルで「小橋建太プロデュース興行 Fortune Dream」も今月放送されており、見ることができました。

 正直見たいカードがあった訳ではありませんので、あえて見たかったのは会場の雰囲気と「小橋建太VS長州力 トークバトル」くらいでした。
 しかし、メインイベントの激闘が終わった後、大変素晴らしい光景が見られ、改めて小橋建太という人の凄さを思い知ることになりました。

 メインイベントのタッグマッチが30分時間切れ引き分け、5分延長も決着つかず試合は終わりました。
 大変な熱闘で激しくやり合った両チームでしたが、最後は握手で検討を称えあいました。これも私が好きだった全日本プロレスでは恒例のシーンでした。
 どれだけ激しく殴り合ったり、攻撃し合ったとしても試合が終われば相手を尊重し、称えあう。スポーツは強い対戦相手がいるからこそ、自分自身も切磋琢磨して強敵を倒そうと練習し、努力する。だからこそ、強い対戦相手、ライバルが必要なわけであり、その存在は尊重しなければなりません。だからこその試合後の握手な訳です。

 そして、小橋建太プロデューサーがリングに上がり、その日の出場全レスラーをリングに上げ、記念撮影を行いました。しかも、リング四方のファンみんなが全選手の写真をカメラに収められるよう4方向に全員を向かせ集合写真を撮っておりました。こんなシーンは初めて見ました。
 大体、プロレスに行くと一方向(テレビ放送がある時は、カメラのある側)にしか記念撮影をしません。ですので、そっち方面のファンしか記念写真を写せないのです。しかし、今回は全選手が全方向に向いてくれました。ファンからすると大変な記念写真を収められたことでしょう。

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 また記念写真が終わった後は、小橋建太さん自らが全選手と握手を交わし、労いの言葉をかけました。参戦したレスラーは若い頃、小橋選手の試合を見て育った世代が多いからか大変笑顔を浮かべ、感謝にこもった表情で握手されておりました。
 大変心に残る瞬間の数々でした。

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 そして全選手が引き上げた後は、小橋選手が現役時に使っていた入場テーマが流れ、会場は大小橋コールに包まれました。引退しているのに、これだけのコールを浴びる選手も珍しいものです。
 会場全体が小橋プロデューサーに感謝を込めた大コールに包まれました。

 プロレスの素晴らしいところは、どれだけリング上で激しく戦っても、試合後はノーサイド。レスラーとしてというより、一人の人間としての心が見えるところです。
 もちろん全団体ではありませんが、私が応援した全日本プロレスはジャイアント馬場さんの教えもあり、「レスラーは一社会人としても一流であれ」と教わっていたと聞きます。それを口ではなく行動で示すことができたのが小橋建太さんでした。
 小橋選手の試合は、いつも試合後に対戦相手へのリスペクトを忘れなかった。だから、言葉の通じない外国人選手とも名勝負が多く、友情が育まれました。
 だからこそ、小橋選手は多くのプロレスファンから愛されたわけです。
 
 引退した後も、小橋選手自身はリングで戦えないものの、彼自身のプロデュースしたプロレス興行で同じようなシーンが見れたことを大変うれしく思いました。

 プロレスに限らず、スポーツに関わる人たちには是非このようなスポーツライクな精神を持った選手になってほしいと思います。
 そうなれば、自ずと多くの人達に支援してもらえるスポーツ選手になれるでしょう。
 練習中、試合中、試合後、自分の思うとおりにならずにふてくされた態度を取ったり、対戦相手を野次ったり、汚い手段で勝とうとしたり・・・、そんなチーム、選手を周りの人達がサポートしたいと思うでしょうか?
 どんな過酷な中でも自分の実力を誤魔化さず、相手を馬鹿にするのではなく自分自身に厳しくスポーツに取り組んでいる選手の方が応援したいと思うでしょう。それが人の心だと思います。

 私はこれからも小橋建太さんを応援していき、スポーツの世界の中で小橋さんのような存在になれるよう努力します。

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