全日本プロレスファンとしては大変興味深いタイトルの本が発売されました。
著者も週刊プロレス全盛期の全日本プロレス担当記者であった市瀬英俊氏であることもあって大変期待を持って読んでみました。
ただ残念ながらタイトルと本文のギャップを感じ、内容はそれほど深いものではなく記者として背景も含めて解説している本でした。
その舞台裏もそれほど濃いものではないですし、何より「問題マッチ」と謳うことでもなく普通の名勝負、または流れの中で転機となる試合ばかりだと思います。
しかし、その中で私がまだ中学生くらいでそれほどプロレスの深い部分を知らなかったため興味深く少し心に残った記事がありました。
それは、天龍源一郎選手が天龍革命全盛の頃、その天龍革命について同士であった阿修羅原選手が残した言葉でした。
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「僕らが一番表現したいことっていうのは、決まりきったことはないんだけど、ただひとつ言えることは、一生懸命に生きてるってこと。どれくらい真剣に生きているか。一生懸命やることを、それだけを最低、いつも、常に感じ取ってほしいっていうような表現の仕方をしていくことだけは約束します。」
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まさしく私が好き好んだ全日本プロレスの姿です。
別に批判するわけじゃないですが、ライバルの新日本プロレスを見ていて思ったのは予定調和のプロレスでした。決まりきった攻防に負けた選手がなぜか元気な姿で帰るシーンが多かった。
しかし、全日本プロレスの試合はなぜか一つ一つの攻防に気迫を感じ、何気ない技も力強く見えた。それが天龍革命の残したものであり、後のジャンボ鶴田VS超世代軍、そして三沢、川田、田上、小橋の四天王プロレスに繋がったのだと再認識しました。
本のタイトルだけを見ると内容とのギャップに違和感を感じるが、これはこれとして全日本プロレスを感じる意味では少し読み応えがありました。
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