【観戦レポート】全日本プロレス 5・21後楽園ホール大会




 最近の全日本プロレスはまた少しずつ人気が復活してきております。
 プロレス界にとってそのバロメーターとなるのが後楽園ホールでの大会であると私は思います。
 その人気や盛り上がりが実際どんな感じなのか、生で後楽園ホール大会を見てみたいなと思っておりました。
 その中、今回ささきいさお至上主義の私としては、ささきいさおさんのイベントと併せて同日に全日本プロレス後楽園ホール大会が行われ、尚且つ連続して見に行ける日程であったことから東京行きを即決した訳です。

 当日はまたメインイベントが三冠統一ヘビー級選手権試合であり、且つ挑戦者が2017チャンピオンカーニバルを制した石川修司選手であったことにより盛り上がる大会になることが予想されました。

 私は全日本プロレスの全盛期と言われる90年代、数々の後楽園ホールでの名勝負と盛り上がりを見てきましたので、あの雰囲気に憧れていた自分を思い出しながら今回の盛り上がりを楽しみにして現地に向かいました。

 全部書いてたら長文になるので、数点感じたことを…。
 試合開始前にはお客さんもほぼ満席になりました。私は今回初めて北側だったので、最も席が多い南側席にたくさんお客さんがいる光景が爽快でした。

 

 第2試合のジャンボ鶴田メモリアルマッチ。鶴田さんの命日のある5月でもあり組まれたカード、カブキ、渕VS大森、井上。カブキ、渕組というオールドファンには懐かしいコンビを見ただけでも満足でした。

 

 尚且つ、試合後、ジャンボ鶴田さんの入場テーマと共に久し振りの「ツルタ、オー」コール。亡くなられて17年が経過している訳ですから大きなコールではありませんでしたが、大変感慨深いものがありました。私が最も好きだったレスラーでしたから…。
 それが全日本のリングだからこそ感慨深くなる訳です。だからこそ、全日本プロレスの歴史って他団体にない凄い強味だと思います。

 第3試合のドーリング、青木VSジェイク、野村のタッグマッチ。
 まさかのジェイク選手がドーリング選手からフォール勝ちという試合になりました。
 ただ私がこの試合で印象に残ったのは、ドーリング選手なんです。大病を患ってから初めて生観戦でしたが、非常に声援が集まっていました。そして何より一つ一つの出す技の迫力に超満員のファンのどよめきが加わり、リングの臨場感がダイレクトに伝わってきます。ほとんど一人で戦っていたのですが、どちらかというと一人で二人を相手にするドーリング選手の強さが観客の自然な反応により熱気に包まれた感じです。ドーリング選手はこのまま頑張ってくれたら、日本のファンの心に残る外国人選手の一人に成り得る存在ですね。
 逆に若手チームの勝利こそ盛り上がりましたが、それに至るまでの説得力は乏しかったので逆に呆気にとられる感じでしょうか。プロレスはそこに至るまでの過程が大事だと思います。勝利に繋げるまでの説得力、試合運びが若手チームの課題では無いでしょうか?

 

 セミファイナルの世界タッグですが、こちらも短時間であっという間に挑戦者が勝利しました。短時間ながらも見どころはそれなりにあったと思います。結構王者組も大技で押してましたから…。
 ただ、今の全日本プロレスの課題はタッグマッチかもしれません。全日本プロレスと言えば、年末の世界最強タッグです。それに向けた強さの象徴となるタッグチームが正直見当たりません。宮原・ジェイク組に期待したいところですが、私的には諏訪魔・ドーリングのコンビくらいだと思います。
 今年の年末までにどのようなタッグチームが生まれ、そこにまた今年のチャンピオンカーニバルのような熱のある空間が作り上げることができるか。これからの展開に期待したいと思います。

 

 

 そして、メインイベント。三冠統一ヘビー級選手権試合、宮原健斗VS石川修司。

 

 まず入場で思ったことは宮原選手の貫禄と空気。試合開始前の雰囲気が久し振りに期待感に溢れたものと何より大一番の緊張感が非常に伝わりました。これは正直驚きました。

 

 試合自体は全体的に石川選手が押していたように思います。
 しかし、ここでも驚いたのは宮原選手の受け。相手の厳しい攻めでもメリハリを利かした反撃に、試合終盤に向けたいい意味でのワクワク感を感じます。
 観客の盛り上がりも上々。どちらにも同じように声援が飛んでいる、声援も五分五分の様子でした。

 

 試合終盤は両選手の厳しい攻めの攻防がありました。膝蹴り一つでも決まりそうなせめぎ合いで観客のボルテージがどんどん上がっていったのを感じました。
 続けて、大技の攻防になった時に起こったのが昔、テレビでよく見た、いわゆる観衆の「重低音ストンピング攻撃」。最後の石川選手の怒涛の大技ラッシュとそれを絶え凌ぐ宮原選手の攻防にファンの盛り上がりは最高潮になりました。

 

 
 
 そして最後の瞬間、これも驚いたのが石川選手勝利の瞬間、南側の観衆のほとんどがこぶしを上げて盛り上がっていたことです。試合への歓びが全身に表れた瞬間のようでした。

 

 ここで私が感じたことは、それは宮原選手より石川選手の方が人気があった、勝利を望んでいたという感じには思わなかったことです。
 私には逆に1年3か月の間、防衛を続け王者として安定期に入っていた宮原選手が破れてチャンピオンが入れ替わる歴史的な瞬間に立ち会えた歓びのように見えました。
 MLBでもよくあるアウェイのチームでもノーヒットノーランのような歴史的な瞬間には観衆全員が拍手喝さいを送るような、そんな感じに見えました。
 そして声援は両者互角だったのに、試合後は石川選手への歓迎ムード。
 マイクでも彼がジャンボ鶴田さんに憧れていたことなどを口にし、心から三冠王者になったことへの歓びと先人へのリスペクトが感じられたことが嫌みの無いさわやかな戴冠シーンを見れたのかと思います。

 メインイベントの三冠戦の盛り上がりは素晴らしかったです。昔テレビで見た時の雰囲気がどこまでだったかは正直わかりません。しかし、試合を通じてあの雰囲気の中にいられた心地よさと二人で作り上げた名勝負の余韻に浸れたのは事実です。

 そして改めて試合後に感じたことは、宮原選手の価値です。
 昨年王者になった時は正直大量離脱と諏訪魔選手のケガで棚ぼたでの戴冠の様に正直感じました。しかし、そこから1年3か月の間に完全に王者、そして全日本プロレスのエースとしての風格が文句なしに感じられたことです。
 あの盛り上がりは、石川選手の実力もさることながら三冠王者としての風格と貫禄を持った王者がいたからこそであり、それを観衆が認めていたからだと思います。それだけ宮原選手のステータスの高さを強く感じたのが興行終了後の感想です。
 そして激戦の翌日からは疲れも癒えないまま、彼は北海道へ出向し、全日本プロレスのキャンペーンに出掛けていました。もう名実ともに全日本プロレスの顔だと思います。

 改めて、今の全日本プロレスの充実感を感じました。
 これは危機的状況でも必死に皆を引っ張った秋山社長の手腕が一番かもしれませんが、本当に宮原選手の頑張りも大きいです。そして、私は今後改めて諏訪魔選手に期待しております。彼が全日本プロレスの強さの象徴として、もう一度しっかりリングの中央に居座って若手をリングの戦いの厳しさで引っ張っていってほしいと思います。

 間違いなく、これからの全日本プロレスには期待して、そして最近会場に足を運んでないプロレスファンも是非一度全日本プロレスを観戦して欲しいと思います。
 非常に満足度の高い、後楽園ホール大会でした。




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