ジャイアント馬場十七回忌追善興行を終えて

全日本プロレス

 ジャイアント馬場さんの十七回忌追善興行が終わった後は、しばらく会場で余韻に浸りたかったのですが帰りのバスのこともあり足早に会場を後にしました。
 会場の入場ロビーでは、馬場元子さんがテーブルの後ろに立っておられ挨拶するファンへの対応をされておりました。元子さんに一言声をかけようと待っているファンなどを見ていても、何か心が温まる気持ちになりました。

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 興行を終えて、帰宅時に改めて思ったことは経済的な問題もあった中ではありましたが、東京まで来て良かったという気持ちでした。
 私は本当にジャイアント馬場さんのことを尊敬し、人間性や普段は優しくてもいざとなったら大きく出れる頼もしさもある。何より人との約束を重んじ、自分の愚痴や弱音を弟子に見せない…こう言った凛とした姿勢に憧れました。
 それは馬場さんが亡くなられて16年が経った今でさえ、変わりません。それを馬場さんの追善興行のために東京まで行く決心ができた自分の行動力に自己満足しているところもあるかもしれません。(笑)ですが、プロレスの会場で様々なところでレスラー達の振る舞いを見ていると非常に心地の良いものでした。

 馬場さんのセレモニー後のタッグマッチでは、久し振りに全日本プロレスに戻ってきた太陽ケア選手が和田レフリー達と握手をし旧交を温めていました。人生選手はいつまでもリングに残って天を見上げては馬場さんへの思いを心の中に持っていたに違いありません。天龍VS諏訪魔の注目の一戦では大ベテランであり尊敬する選手である天龍選手に対して堂々と攻め、天龍選手の攻撃を受ける…そういった二人の攻防の中で初対決ながらも同じ団体で苦労した者同士の信頼関係を垣間見ました。
 メインイベントでは、こちらも大ベテランの渕選手を盛り立てようと秋山、大森両選手が必死にはっぱをかけ、若手である潮崎選手たちも厳しい攻撃を繰り広げました。もちろんそれで渕選手の頑張りも目立つし、ファンからの声援も渕選手に集めるためです。
 最後は秋山選手と渕選手が馬場さんへの思いとファンへの真摯なメッセージを送りました。
 エンディングでは「上を向いて歩こう」が流れ、旧全日本プロレスのエンディングと同じ演出でオールドファンを喜ばせるものでした。

 そういった一つ一つのしぐさ、振る舞いこその真実の礼儀があると再認識しました。
 人は形式ばった「やれといわれてやる」礼儀をする人は多いですが、ふとした自分の意識からの礼儀を表すことができる人は大変少ない者です。
 だからこそ、全日本プロレスでは予定調和の礼ではないものが見れることも私としては魅力的なのです。

 一方、超満員のファンの雰囲気は非常に温かく、一つ一つの試合、新人の試合でさえ「盛り上げていい試合にしよう」というファンの心意気が見えたような気がしました。
 プロレスの試合は選手の激しい戦いだけでなく、ファンの声援も含めて一つの試合の精度が変わると思います。レスラーの必死の戦いと表現、それを盛り上げる観客の相乗効果が見えた興行だったと思います。だからこそ、試合カード自体は平凡なカードが多かった割に盛り上がったと思えたのだと思います。
 その声援こそが今回観戦に来たファンからのジャイアント馬場さんへの感謝の表れだったのかもしれません。

 世の中と言うのはテレビやマスコミ、身近なところでさえ嘘や人の悪口が横行しています。
 自分に甘く、厳しい環境を自ずと取り入れられない人間がその弱さをごまかすために他人の揚げ足をとったり、悪口を流したりしないと自分をアピールできない輩も多くいます。周りの人から様々なサポートをそれて良い思いをしても、それに感謝するどころか、一つ自分の思い通りにならないとその恩も忘れ失礼な態度を見せるような者もいます。
 そういった環境下にいると自分自身も馬鹿正直に生きるのがあほらしくなることさえありますが、馬場さんがご存命のころは馬場さんの振る舞いやその弟子であるジャンボ鶴田さんや三沢光晴さん、川田利明選手、田上明選手、小橋建太選手らのリング上の戦いを見ていると自分をリセットできたものでした。

 だからこそ、今回10年ぶりにジャイアント馬場の名前が入った興行が行われたことに私自身にも大きな意義がありましたし、それほど注目なカードが無かった大会であっても「見に行こう!」と決心できました。
 改めて興行を観て、自分の目標とする原点に戻れたような気もします。

 またそれと同時に馬場さんの愛弟子である秋山選手が全日本プロレスの社長となり、馬場さんの作った団体を引き継ぐ形になったことに改めて感謝しています。
 この今のプロレス界の散々な経営状態を見ると非常に重い決断であったと思いますが、全日本プロレスの再建にく立ち上がってれました。
 やはり馬場さんが作り上げた団体ですから、それを知るレスラーが紆余曲折の中、引き継いで良き伝統は守っていってくれることをうれしく思います。
 だからこそ、私もプロレス自体はそれほど熱は無くなりましたが、全日本プロレスのサポーターとして微々たるサポートができればと思っています。

 そして、自分自身もスポーツのことをより多く学び、将来の夢として指導者や選手皆が信頼し合えるようなスポーツ団体を作ることができればと思います。
 その為にはお互いの信頼関係が重要です。馬場さんが約束を守る人だったように、私もウソのない人間関係を構築し、スポーツ指導に関われるよう日々の学習、努力をし続けていかねばなりません。

 改めて、今回の「ジャイアント馬場 十七回忌追善興行」を観戦できたことに感謝し、これからも私の最大の目標の人であり続けます。

 

 

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