明日は私の尊敬するジャイアント馬場さんの命日であり、十七回忌となる1月31日を迎えます。
全日本プロレスから”ジャイアント馬場”の名前が消え、いつしかプロレス界から馬場さんの名前が忘れ去られてしまった感があった昨今ですが、昨年に馬場さんの愛弟子である秋山準選手が社長となったことによって、再び創始者に敬意を表す団体に戻ったことに改めて感謝致します。
日本武道館で馬場さんの七回忌興行が行われてから約10年の時を経ました。その際は「馬場さんの冠の入った大会は最後」と言われ、私も東京へ足を運ばせました。恐らくは武藤政権になったことに伴い、馬場元子さんはプロレス界から去り、二度とプロレスに関わることはないと判断していたのでしょう。しかし、改めて秋山選手が潰れかけの全日本プロレスの社長となり、自ら過酷な環境下の中、全日本プロレスの再建に名乗り出たことを受け、再びその一助となるべく戻ってきてくれたのでしょう。
そして、改めて「ジャイアント馬場」の名前が入ったプロレス興行が行われ、馬場さんに所縁のあるレスラーがリングに集まる光景を見れることを私はファンとして嬉しく思います。
今回の記念興行は後楽園ホールということもあり、規模は小さく、対戦カードもこれと言って注目されるようなものはありません。
しかし、私も大変多忙で金銭的な余裕も無い中、どうしても会場で生観戦し、改めてジャイアント馬場さんへの敬意を表した中でファンと選手がどこまで一体となる空間を作り上げることができるかを見たいと思い、東京まで行く決心をしました。
私は特に高校時代くらいでしょうか、ジャイアント馬場さんの行動、そしてその教えを守る弟子である選手達のリングでの戦う姿、そして真摯な言動などを見てきて、何かしら人としての大切なものを学んだ気がします。
人は自分の与えられたものが少しでも上手くいかないと周りの責任にする傾向にあります。そして他人の悪口に走り、自分が向上するより周りを陥れて、あたかも自分が高いレベルかのような錯覚を作り上げようとします。しかし、全日本プロレスのレスラーはどんな過酷な条件でも言い訳をせず、他人を罵倒せず、ただリングの中の戦いの姿を見せ、本当の強さを証明してくれました。
人は自分の立場が上になれば、下の者への高圧的な態度で接し、自分自身に過酷な状況を与えようとせず下の立場の人に無理難題を押し付けるような人もいます。
馬場さんは経営者として、そしてプロレスの師匠として、多くのレスラーから信頼を勝ち取り、弟子や外国人レスラーでさえ慕っていたのは有名な話です。
こんな全日本プロレス、そしてそれを作り上げたジャイアント馬場さんの佇まいを見て、私は自分もそんな立場の人間になりたいと思えました。
仕事やプライベート、またスポーツで色々な方々と接した中で全日本プロレスから学んだことは大変参考になりましたし、その後、コーチング理論やスポーツ指導者として学ぶ機会を持った際、いかにこのような考え方が大事かを再認識しました。
改めて今の年齢になっても全日本プロレスを応援してきて良かった、ジャイアント馬場さんをあこがれの存在として捉えてきて良かったと思っています。
明日はそのような思い、感謝の気持ちを持って全日本プロレスを観戦してこようと思います。
そして、今一度「ジャイアント馬場」の名が入ったプロレスを見て、自分の心をもう一度原点に戻してみたいと思います。
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